作品名:
日田の皿山
作者:
柳 宗悦書き出し:
筑紫の平野を車は東にと走る。見渡す限り金色に光る菜の花の敷物である。あの黄色を好んだ画家ホッホが見たら狂喜したであろう。不思議にも美しい自然は絵画を通して私たちの眼に入る。
田主丸や吉井を通れば、
土塀や土蔵の家々が町の古い物語りを話しかける。これも泥絵の画工たちが重々私たちに「覚えよ」といってくれた題目である。だが私の心が急ぐのは国を一つ越えた先の
日田である。平野の尽きたところに筑後川が
迸る。河は急に二つの山を引きつけて岩を砕きながら私の方に走る。しぶきをあびながら岩角に
佇んで糸を垂れる者が見える。彼は
香魚…
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