トップページ > 青空文庫占い:結果

青空文庫占い:結果

古来、人々は悩みがあると、四つ辻に立ち、聞こえてくる言葉で物事を占いました。これを『辻占』と言います。

青空文庫占い

作品名:

演劇的青春への釈明

作者:

岸田 国士

書き出し:



 本誌(「劇作」)四月号、山辺道夫氏の「演劇的青春」といふ評論を読んでみると、僕の名前が引合ひに出されてゐる。少し迷惑に思ふ点があるから、ここで僕の意見をはつきりさせておきたいと思ふ。
 山辺氏は、僕が去年の六月「新潮」で発表した「戯曲及び戯曲作家について」といふ感想に対して、僕が予想しないやうな、「解し方」をされてをり、その解釈に基いて、半ば反撥的な批評を加へてをられるが、僕も、同氏の結論に対して大体異議のないところからみて、この一文は決して同氏の所論を駁する目的をもつてはゐないのである。
 僕が先づ云ひたいことは、山辺氏が僕の文章中から、その精神を摘出することなく、ある部分の語句を引用し、しかも、その場合、僕が最も注意して用ひた「条件法的」表現を無視されたといふことである。
 僕は決して、「若年にして戯曲の筆を執ることは考へものだ」とも、「二十歳そこそこの青年は抒情詩の辺を彷徨してゐる方がよろしい」とも云つた覚えはない。ただ、今日まで、小説に比して戯曲の生産が貧弱低劣なる原因は、若年にして戯曲に没頭するものが、概ね、「文学」から離れて行く傾向があつたからだといふ事実を指摘したかつたのである。そして、「文学」から離れて行く傾向は、必ずしも意識的でなく、従つて、余程の覚悟がないと、「劇作の道を励んでゐる」つもりで、知らず識らず、肝腎な創造的精神の育成――つまり、芸術修業の本道を踏み誤る危…

図書カードURL:

https://www.aozora.gr.jp/cards/001154/card44481.html

処理時間:0.62643480300903320312秒

データ取得試行回数:1回 ブロック判定︰0回 ルビ判定︰0回

戻る



Sitemap

RSS

お問合せ

ページの先頭へ

ページの先頭へ