トップページ > 青空文庫占い:結果

この間の朝、裏の井戸端へ顔を洗いに行くと、近所の人に出会したので、「おはようごさいます。」と、ぼくは挨拶した。すると、その人は、にこにこ顔をして、「今朝は、お早いですね。」と言った。
つまり、近所の人々も、寝坊のぼくのことを知っているわけなのである。ぼくにはわけがあって、この間から、人並の朝をむかえることにしたいものと、こころがけているのであるが、お早いですねと言われてみると、寝坊だった自分のことを、今更のように見せつけられた感じなのであった。
実際、これまでのぼくには、朝というものがなかったもおんなじで、ぼくが、洗面器と手拭を持って井戸端へ出る頃は、すでに朝の過ぎ去ったあとなのであって、井戸の流しのコンクリートが、陽に照りつけられて乾いている時なのである。言わばぼくの生活には朝がなくて、その日その日が昼頃からはじまるみたいなのであった。それには、またそれだけの事情があったからなのである。しかし、その事情については、一々ここに述べてはいられないのであるが、一口に言ってしまえば、ぼくはふくろうみたいに夜になってから仕事をするからなのだ。このことが、ぼくの長年の習慣になっていて、女房こどもが出来てからというものは…
https://www.aozora.gr.jp/cards/001693/card58917.html
処理時間:0.20814394950866699219秒
データ取得試行回数:1回 ブロック判定︰0回 ルビ判定︰0回