トップページ > 青空文庫占い:結果

青空文庫占い:結果

古来、人々は悩みがあると、四つ辻に立ち、聞こえてくる言葉で物事を占いました。これを『辻占』と言います。

青空文庫占い

作品名:

小詩論

作者:

中原 中也

書き出し:

 此処に家がある。人が若し此の家を見て何等かの驚きをなしたとして、そこで此の家の出来具合を描写するとなら、その描写が如何に微細洩さずに行はれてをれ、それは読む人を退屈させるに違ひない。――人が驚けば、その驚きはひきつゞき何かを想はす筈だが、そして描写の労を採らせるに然るべき動機はそのひきつゞいた想ひであるべきなのだが。(断るが、茲でいふ想ひとは思惟的なのでもイメッヂでのでも宜しい。)

 生きることは老の皺を呼ぶことになると同一の理で想ふことは想ふことゝしての皺を作す。
 想ふことを想ふことは出来ないが想つたので出来た皺に就いては想ふことが出来る。
 私はうたはこの皺に因るものと思つてゐる。
 古来写実的筆致を用ひた詩人の、その骨折に比して効果少なかつた理由は、想ふことを想はうとする風があつたからだと私は言ふ。或は、真底想はなかつたから、判然皺が現れなかつたのだ。
 然るに此の皺は決して意識的に招かるべきものではない。よりよく生きようといふ心懸けだけが我等人間の願ひとして容れられる。

 …

図書カードURL:

https://www.aozora.gr.jp/cards/000026/card50245.html

処理時間:0.14755201339721679688秒

データ取得試行回数:1回 ブロック判定︰0回 ルビ判定︰0回

戻る



Sitemap

RSS

お問合せ

ページの先頭へ

ページの先頭へ