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一
木曽の代官山村蘇門は世に
で、私の物語ろうとする『稚子法師』の怪異譚は即ち蘇門病歿の時を以て、先ず其端を発するのである。
不時のご用を仰せ付かって、信州高島諏訪因幡守の許へ、使者に立った萩原主水は、首尾よく主命も果たしたので、白馬に鞭打ち従者を連れ、木曽路を
塩尻辺で日を暮らす、此処洗馬まで来た頃には文字通り真の闇であった。先に立った
「殿のお命に別状無い中どうぞ福島へ行きつきたいものだ」
この事ばかり懸命に念じ主水は益々馬側をしめ付け乗っ立って走らせるのであった。
主水は生年十八歳、元服の時は過ぎていたが、主君の命で前髪を尚…
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