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青空文庫占い:結果

古来、人々は悩みがあると、四つ辻に立ち、聞こえてくる言葉で物事を占いました。これを『辻占』と言います。

青空文庫占い

作品名:

指と指環

作者:

佐左木 俊郎

書き出し:



 銀座裏のカッフェ・クジャクの内部はまだ客脚が少なく、閑散を極めていた。
 彼は、焦茶色の外套の襟であごを隠して、鳶色とびいろのソフトを眼深まぶかに引き下げていた。そして、室の中を一渡り見渡してから、彼は隅のテーブルへ行って身体からだを投げ出した。
「いらっしゃいまし。何になさいますか?」
 すぐと女給が寄って来て言った。
「うむ。何にしようかな?……」
 彼は言いながら女給の手の指を視詰みつめた。蒼々あおあおしく痩せた細い魅力の無い指だった。
「まあ、なんでもいいよ。」
「でも……」
 鉛筆で伝票をたたきながら女給は微笑んだ。
「じゃ、カクテルをもらおう。」
 彼はテーブルの外に両肘を立ててソフトの外から頭を抱き込むようにした。突き立てた両腕の間から、疲れた者の表情の中に黒い大きな眼が、何かを探るように光っていた。
 彼は今日も一日中、女の綺麗な指を探して廻ったのだった。東京中のあらゆ…

図書カードURL:

https://www.aozora.gr.jp/cards/000134/card727.html

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