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青空文庫占い:結果

古来、人々は悩みがあると、四つ辻に立ち、聞こえてくる言葉で物事を占いました。これを『辻占』と言います。

青空文庫占い

作品名:

ある自殺者の手記

作者:

秋田 滋

書き出し:



 新聞をひろげてみて次のような三面記事が出ていない日はほとんどあるまい。

 水曜日から木曜日にかけての深更しんこう、某街四十番地所在の家屋に住む者は連続的に二発放たれた銃声に夢を破られた。銃声の聞えたのは何某氏の部屋だった。ドアを開けてみると借家人の某氏は、われと我が生命いのちを断った拳銃を握ったまま全身あけに染って打倒れていた。
 某氏(五七)はかなり楽な生活くらしをしていた人で、幸福であるために必要であるものはすべてそなわっていたのである。何が氏をしてかかる不幸な決意をなすに到らしめたのか、原因は全く不明である。

 何不足なく幸福に日を送っているこうした人々を駆って、われと我が命を断たしめるのは、いかなる深刻な懊悩おうのう、いかなる精神的苦痛、傍目はためには知れぬ失意、…

図書カードURL:

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