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青空文庫占い:結果

古来、人々は悩みがあると、四つ辻に立ち、聞こえてくる言葉で物事を占いました。これを『辻占』と言います。

青空文庫占い

作品名:

山岳浄土

作者:

中村 清太郎

書き出し:

 いまや白衣をぬいで浄光をはなつ山々、しずまりたもうかたを拝んで筆をとる。秩父おろしが枯葉をまいて、思いは首筋から遠く天外をかけめぐる。そこにまたしてもかずかずの、すぎし山間遍歴のあとがあらわれる。そしてなんたるしみじみしい景色だ。ゆったりした景色だ、清らかな景色だ。
 ゆらい老人は、むかしを語るをこのむという、そうかも知れない、が、なんでもむかしのものはよく、いまのものはわるいなどとは、そこにたしかにぐちがあろう。しかも山のむかしを渇仰するのは、けっしてそんな亜流ではない。老人でもないわたしでさえ、むかしというほどでない二十何年の山を、そんなにもなつかしむのは、ひとつはそれほど山のおもむきがわるく変わってしまったからだ。そのころの山はまだいかにも山らしい山であった。いまは――山の大彫像は、いぜんとして厳乎天半を領している、しかしちかづいてみると、そこにもここにも人間の猪口才ちょこざいがみにくいものをふりまいて、その荘厳をよごしている。便利になったという、まことに。しかしさすが自然のにおいも一歩しりぞいている。ちかづいたつもりが、あるいはかえって遠ざかったのではないか…

図書カードURL:

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