トップページ > 青空文庫占い:結果

一
我国の歴史は、やがて三千年に亘らうとして居る。其間に起つた数多くの文学が、今日の我々にも、大体は訣るといふこと、殊に奈良朝以前の文学などが訣るといふことは、どういふことであらうかと、さういふ懐疑の念を、恐らく、多くの人々は持たれた事があるに違ひない。奈良朝以前のものが、之だけ時代を経た今日の我々に、とにかくに大体に於いてでも訣るといふ事は不思議だけれども、事実訣るのである。此事実に対して、若しも根本から疑うてかゝるならば、現存の文献が、実はそんなに古くは無いものだと考へなければ、解決がつかぬことになる。併し、事実に於いて、奈良朝に、乃至それ以前に、文献はあつたのであるから、此事実の上に疑ひを置いて見るといふことは、我々の疑ひの方が怪しくなつて了ふ。それならば、何故、それが今日の我々に訣るか。言語学を少しでも、修めた者であれば、さういふ現象のあり得べきでない事を信ずるであらうが、訣ることも確かに事実なのだ。此事実は如何に解決すべきであらうか。日本は言霊の幸ふ国だから訣るのだ、といふ様な、そんな簡単なことは言つてゐられない。
もつと、之を狭く考へてみて、古代奈良朝以前の書物に限つて言へば、譬へば、記紀などの成立年代に就いては、誰にでも漠然と、奈良朝に出来たものだと考へられ易い。併し同時に、たとへ書かれたのは奈良朝であつても、其内容を成してゐるものは奈良朝の事でないといふことは、学…
https://www.aozora.gr.jp/cards/000933/card47186.html
処理時間:0.26102685928344726562秒
データ取得試行回数:1回 ブロック判定︰0回 ルビ判定︰0回